2月末以降の「医療過誤原告の会」関連の集会・イベント案内

1、事故調シンポジウム 主催 医療情報の公開・開示を求める市民の会

『これでいいのか「医療事故調査制度」』~真実を共有できる環境を作るために~

日時 2015年2月28日(土)13:30~16:45

場所 エル大阪(府立労働センター)6階606号室 地下鉄谷町線「天満橋駅」西へ徒歩5分

講演(敬称略) 前村聡(日経新聞記者)篠原聖二(原告の会関西支部長)、

石川寛俊(弁護士)北田淳子(被害者)岡本左和子(奈良県立医大講師)

連絡先 医療情報の公開・開示を求める市民の会(090-4546-4377)

2、講演会 「私の約40年間の弁護士活動からみた日本の医療の課題」

講師:鈴木利廣氏(患者の権利オンブズマン全国連絡委員会共同代表・弁護士)

日時:2015年3月14日(土)14:30~16:30

(受付開始14時 定員40名 事前申込みにご協力ください。)

場所:東京ボランティア・市民活動センターA会議室(飯田橋駅西口徒歩2分)

(セントラルプラザ10階)

☆近年、患者の権利を中心とした医療基本法の制定を求める声が高まっており、医療者も交え、法律の制定に向けた動きが活性化しています。また、2015年10月には、改正医療法に基づいた医療事故調査制度が発足するため、この制度を充実したものにする必要があります。

患者の権利の確立のために、いまの日本の医療はどのような点に課題を抱えているのか。長年にわたって医療と人権の問題に取り組んできた鈴木弁護士から、わかりやすくご講義いただきます。

事前申込み FAX:03-5921-2765、メール:kinos@ktb.biglobe.ne.jp

(きのし た法律事務所)

3、医療過誤原告の会・関東地区 交流集会  参加費 無料

日時 2015年3月15日(日)13:30~16:30

場所 滝野川会館5F小ホール(北区西ヶ原1-23-3)本郷通り西ヶ原交差点隣、旧古河庭園前

京浜東北線 上中里駅(滝野川公園方面)徒歩8分 南北線 西ヶ原駅徒歩8分

内容 医療事故報告   中島哲也氏(昨年末、全面勝訴的和解)

被害者支援への思い  吉田洋三氏(元病院管理者)

医療事故被害者の交流、闘いの報告

連絡先 原告の会事務局(090-6016-8423)

4、3月医療事故調査・公正なガイドライン推進宣伝活動(チラシ配布・署名)<第67弾>

日時 2015年3月29日(日)16~17時

場所 京成上野駅 出口前 (上野公園の西郷さんの銅像につながる階段を下りた辺り)

終了後、交流会(17:15~19:30頃)、交流会のみの参加も可

連絡先 原告の会事務局(090-6016-8423)

医療過誤原告の会主催・第7回医療事故相談会のご案内 (無料)

日時 2015年4月4日(土)10時00分~12時00分

場所 全労連会館3F会議室(JR御茶ノ水駅徒歩7分)東京都文京区湯島2-4-4

受付定員 6名(会員優先、先着順)

相談予約申込先 原告の会事務局・(090-6016-8423)

これが真相!「医療事故調制度検討会」の舞台裏

◆◇医療事故から学ぶ仕組み、25日の検討会が山場◆

医療事故の原因をつきとめて再発をふせぐ「医療版事故調」            http://www.yuki-enishi.com/kasumi/kasumi-12.pdf                       ことし10月には制度がスタートすることになりました。

ところが、すでに日程調整まですませているガイドライン検討会から             識見ある医療・法律の専門家を外して、事故調を骨抜きにしようとする            医療法人協会「現場の医療を守る会」のメンバーが 石井みどり、               橋本岳の両議員に働きかけました。                      http://www.yuki-enishi.com/accident/accident-34-2.pdf

このことを知った塩崎厚生労働大臣が、担当者を呼んで・・・・              もっとも重要なポイント

★院内調査の結果を遺族に説明する際の、書面の提供について               「遺族が納得する適切な方法により行う」

★調査報告書に再発防止策を盛り込むかどうかについて                   「院内調査で再発防止策の検討を行った場合は記載する」

事務局が勇気をもって原案を変更し、日本医師会、日本病院会も               これを支持したことで、国際的にはずかしくない事故調にむかって               一歩前進することになりました。

◆◇新聞やテレビでは◆

指針巡り意見に隔たり        http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150225/k10015743911000.html

◆医療事故調検討会 遺族への説明手法、合意に至らず 議論紛糾http://www.sankei.com/life/news/150225/lif1502250030-n1.html

「結論出ず」というようなミダシになっていたり座長が「両論併記」を            ほのめかしたことが報じられ読者は進展がないような印象をうけると             思いますが、これが、真相です。

◆◇「情報まるごと」で医療事故調◆

26日午後2時5分からのニュース番組「情報まるごと」でこの問題が            とりあげられるとのこと。                  http://www4.nhk.or.jp/johomarugoto/ から抜粋しますね。

●厚生労働省は、患者が死亡した医療事故を第三者機関が調べる新たな             制度の指針を医師や医療事故の遺族などで作る検討会に示しました。             しかし、遺族と一部の医師の間で意見の隔たりが埋まらず議論を続ける             ことになりました。                                   議論のポイントや制度の課題について担当記者が解説します、とのこと            です。                ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^            「えにし」メール発信者の了解を得て転載 したものです。                              *太文字化は編集者に依るもの

参考:石井みどり議員関連記事        http://www.asahi.com/articles/ASH2354MGH23UTIL02R.html   http://www.nikkei.com/article/DGXLZO82788980U5A200C1CC0000/

 

医療事故調査 指針巡り意見に隔たり(2月25日・NHK ニュース)

NHKニュース報道より

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150225/k10015743911000.html (動画付)

医療事故の再発防止を目的に事故の原因を医療機関だけでなく、第三者機関が調べる新たな制度の指針の素案が厚生労働省の検討会に示されました。 素案では調査の対象となる事故については医療機関が判断するなどとしていますが、情報の開示を求める遺族と、事故の調査によって医療現場の萎縮を懸念する一部の医師などとの間で意見の隔たりが埋まらず、議論はまとまりませんでした。

ことし10月に始まる新たな制度では患者が死亡する医療事故が起きた際、医療機関はみずから原因を調査することと、新たに設置される第三者機関への報告を義務づけられています。 遺族は調査結果に納得できなければ第三者機関に独自の調査を行うよう依頼することができます。 25日は医師や弁護士それに医療事故の遺族などで作る検討会が開かれ、新たな制度の運用指針の素案が示されました。 この中では調査の対象となる「死亡を予期しなかった事故」については、治療中などに死亡する危険性を患者に事前に説明したり、カルテに記載していたりすれば、対象から除くなど調査の範囲は医療機関が判断するとしています。 また遺族側が、難しい医療の専門用語を理解するためにも文書で受け取ることを求めていた調査結果は「口頭、または書面もしくはその双方で遺族が納得するかたちで説明する」としています。 素案について、一部の医師などが過度な調査によって医師の責任が追及されるなど医療現場が萎縮する懸念があると主張したのに対し、遺族側は全体的に制度の運用を医療機関の判断に委ねる内容で納得できないと主張し、両者の間で意見の隔たりは埋まらず議論はまとまりませんでした。 検討会は今後、座長が意見を調整し、まとまらなければ再度検討会を開き議論を続けることにしています。

新たに設置される第三者機関とは

医療事故の再発防止を目的とした新たな制度では病院や診療所、それに助産所で患者や赤ちゃんが死亡する事故が起きた際、医療機関は新たに設置される第三者機関=「医療事故調査・支援センター」に報告するとともに、みずから原因を調査することが義務づけられます。 調査の対象となるのは「死亡を予期しなかった事故」です。 医療機関は調査結果を第三者機関に報告するとともに遺族にも説明します。 この調査結果に遺族が納得できない場合は第三者機関に独自の調査を依頼することができます。 医師などで構成される第三者機関は、各地の医療団体と連携して調査に出向きます。

調査対象の事故の範囲など焦点に

検討会で主に議論となったのは調査の対象となる医療事故の範囲や調査結果の説明方法です。 遺族側が医療事故の再発防止につなげるにはあらゆる事故の調査を徹底し、情報を文書で開示するすることが欠かせないと主張したのに対し、一部の医師などは調査によって医師の責任が追及されるなど医療現場が萎縮する懸念があると主張しました。 遺族側も医師側も新たな制度を設けること自体に異論はないものの、両者の間で意見の隔たりは埋まりませんでした。

新制度願う遺族は

医療事故で家族を亡くした遺族などは事故の原因を医療機関だけでなく第三者機関が調べる新たな制度の創設を長年、求めてきました。 その1人、千葉県浦安市に住む永井裕之さん(74)は16年前、医療事故で妻の悦子さん(当時58)を亡くしました。 リューマチの治療で入院した病院で、点滴中に誤って消毒液が投与されたことが原因でした。 しかし、病院は当初永井さんには「病死」と説明し、事故を隠しました。 看護師や医師らは刑事責任を問われ、永井さんも真相を求めて民事裁判を起こしました。 この医療事故は事故を隠蔽しようとする医療界の体質に厳しい目が注がれるきっかけの1つとなりました。 みずからの経験から永井さんは事故の原因を究明し、再発防止につなげるためには医療機関だけでなく第三者機関が調べる新たな制度が必要だと署名活動などを通じて訴えてきました。 新たな制度の運用について議論する検討会では永井さんは委員の1人として遺族の立場から「事故の再発防止のためには情報を隠すことなくオープンにし、遺族と医療側の信頼関係を築くことが必要だ」と繰り返し述べてきました。 永井さんは「個人を追及するというよりは、その事故から学んで再発防止につなげていくことが何よりも必要だ」と話しています。

医師「個人の責任追及され現場萎縮」

検討会で議論がまとまらなかったことについて医師側の委員で日本医療法人協会常務理事の小田原良治医師は「今回提出された素案の内容は評価できるもので、議論がまとまらなかったのは残念だ」と話しています。 そのうえで「医療現場としては今回出された案がギリギリの妥協点だ。説明のために文書を出せば裁判や捜査で個人の責任が追及されるおそれがあり、現場は萎縮してしまう。リスクの高い医療に現場が手を出せなくなると、いちばん迷惑を被るのは患者だ」と話しています。

NHKニュース「医療事故調査制度始まる前に遺族らが要望」

医療事故調査制度のガイドライン検討会について、当会は薬害などの事故被害者団体と一緒に、 2月20日、橋本厚生労働政務官に申入れしを行いました。                  その様子が21日朝、NHK6時のニュースで放映されました。

NHKニュース:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150221/k10015629971000.html

内容:タイトル「医療事故調査制度始まる前に遺族らが要望」

 患者が死亡した医療事故を第三者機関が調査する新たな制度が、今年10月から始まるのを前に、医療事故の遺族たちが厚生労働省を訪れ、事故の再発を防止するという制度の目的に沿った運用を行うよう要望しました。

 今年10月から始まる新たな制度では、患者が死亡する医療事故が起きた際、病院に対し新たに設置される第三者機関への報告と、みずから原因を調査することを義務づけています。      遺族は、病院の調査結果に納得できなければ、第三者機関に独自の調査を行うよう依頼することができます。

20日には、医療事故の遺族などで作る団体のメンバーおよそ10人が厚生労働省を訪れ、橋本岳政務官に制度が適切に運用されるよう要望書を手渡しました。

この中では、現在行われている制度の運用方針を議論する厚生労働省の検討会で、医療側の一部の委員が「薬剤の取り違えなど単純なミスによる事故は調査の対象外とするべきだ」などと主張していることを踏まえ、病院が第三者機関に事故を報告しなければ制度は機能しないとして、事故の再発を防止するという制度の趣旨に沿った運用方針をまとめるよう求めています。

団体の代表を務める勝村久司さんは「事故の再発を防止するためには事故を隠すことを決して許す制度ではあってはならない」と話しています。

2月以降の「医療過誤原告の会」関連集会・イベント案内

1、医療事故調査・公正なガイドライン推進宣伝活動(チラシ配布・署名)<第66弾>

日時 2015年2月22日(日)16~17時                                                                                                 場所 東京メトロ 広尾駅 2番出口付近

終了後、交流会(17:15~19:30頃)、交流会のみの参加も可                                                     連絡先 原告の会事務局(090-6016-8423)

2、医療過誤原告の会・関東地区 交流集会  参加費 無料

日時 2015年3月15日(日)13:30~16:30                                                                        場所 滝野川会館5F小ホール(北区西ヶ原1-23-3)                                                                          本郷通り・西ヶ原交差点隣、旧古河庭園前                                                                                          京浜東北線 上中里駅(滝野川公園方面)徒歩8分                                                                              南北線 西ヶ原駅徒歩8分

内容 医療事故報告

● 中島哲也氏(昨年末、全面勝訴 和解)                                                                                            ● 吉田洋三氏(被害者支援への思い、元病院管理者)

医療事故被害者の交流、闘いの報告                             事前申し込み不要

医療法人協会系の委員の主張に怒りの意見

厚労省医療事故調査制度ガイドライン検討会で、医療法人協会系の委員が主張する、「単純ミスは調査対象外」、「院内調査報告書は作成する必要がない」、「院内事故調査報告書は遺族に渡さない」、「再発防止策は報告書に必要ない」など、被害者の人権軽視の主張に、医療過誤原原告の会幹事・富永恵子さんから、怒りの意見が寄せられましたので、以下紹介します。

 医療事故調査制度の検討会も最終に近づいており、大変だと思っております。 厚生省がまとめようとしている医療事故調査制度ですが、医法協ガイドライン推進者の方々には怒りを通り越してあきれています。この方々は、医療事故調査制度ができることには反対なのだと思います。 医法協ガイドライン推進者は制度の反対者なので、検討会のメンバーになること自体そもそも適任者ではないと私は思っています。

厚生省もかつて 医療者も患者も納得ができる第三者調査機関を作ろうと思っておられたのに、どうして今のような状態になっているのか不思議です。 このような厚生省のいかにもお役所的で信念のないあり方も問題を複雑にしています。

現在の検討会の中身では、とうてい患者、国民は納得しないことは明らかです。 医法協ガイドライン推進者は利己的な発言ばかりですね。 このような発言がされていること自体、世間を舐めています。 私は医療事故の後遺症のため、今も治療を続いていますが、ほとんどの医師は真 面目に医療に取り組んでおられると感じています。 しかし、一部の医師が悪質な誤魔化しをしたり、未熟な医療技術のために患者を苦しめています。

医法協ガイドライン推進者は、レベルの低い医師を基準に検討会を進めておられるのでしょうか。 医法協ガイドライン推進者の発言は真面目で志の高い医師を冒涜していると思います。 志の高い医師、良心を持っている医師は検討会での医法協ガイドライン推進者の発言を恥ずかしいと思っている方もおられるのではないでしょうか。

今の検討会のような内容で今後も話し合いがなされるのであれば、時間の無駄ですので、厚生省の理性ある英断を希望しております。 今の内容の検討会であれば、医療事故で苦しんでいる人の何の助けにもならないので、そのような制度は必要ないと思っております。 そのかわり、医療訴訟はますます増加していくことと思います。 医師は訴訟に時間をとられることになります。 だから医療訴訟にならないために再発防止策を報告しないなどの医法協推進派の発言はお門違いも甚だしいと思います。

今のような検討会内容では、必ず訴訟を誘発します。 再発防止策を書かなくても、院内調査を遺族に開示しなくても、医療被害者は病院や医師に対して不信を感じれば死にもの狂いで訴訟をしてきます。 これでは、医師と患者の信頼を築く為に第三者機関の医療事故調査制度を創設しようとした最初の礎が無になってしまいます。 今日まで全うな第三者機関医療事故調査制度がなかったので、私としては、唯一訴訟だけが救いでした。

本来医学のプロは医療事故が起こった場合、原因を正直に究明すべきです。 病院に自浄作用がないから司法に訴えるのです。 金銭的にも大変でしたが、それ以上に医療事故にあった私は心が搔き毟られるほどの辛い気持ちでした。

医法協ガイドライン推進者の方々に申し上げたいのですが、遺族・患者を弱いも のと思わないでいただきたい。 本当に苦しい思いをしたときには、弱いものでも、強く立ち上がるのだということを知っていただきたい。 山口育子さまが発言なさっているように今のような検討会では医療不信の再燃がおこると私も思います。 医法協ガイドライン推進者の方々にはもっと冷静になっていただきたいと思っております。 患者側代表は、無茶な要求はしていませんよ。 至極まっとうなことを言われていると思っています。 今の医法協ガイドライン推進者のお考えでは患者も医師も不幸になってしまいます。 医療で一番大事なことは医師と患者の信頼関係です。 そのことを医法協ガイドライン推進者の方はもう一度深く考えていただきたいと思っております。 よろしくお願いいたします。 福岡で歯痒い思いをしています。 福岡でよい制度が出来ますよう祈っております。

 追伸なのですが・・すみません・・・。

医法協ガイドライン推進者が医療事故の報告は「医師個人の責任追及をしないために医療事故を個別的に報告しない」と言っていますが、医学は個別的に検証したことの積み重ねが再発防止になるのではないでしょうか。 だから当然医療事故を個別的に検証報告していただく必要があると思います。 本当に医法協派は寝言ばかり言っているとしか思えません。

それから、第三者機関の医療事故調査委員会の報告に、検証した医師の名前などを開示していただけるのかどうかも気になりました。 アメリカの友人から聞いた話ですが、アメリカでは医師の過去歴などをインターネットで調べることができるようで、医療事故に対しては厳しい世間の目があるようです。 日本では隠し庇いあいの医療文化です。 レベルの低い医師を追及するというよりも、患者は自分の身を自分で守る必要があると思っています。 志の高い、優秀な医師に診ていただきたいことは、命がかかっていますから当然のことと思います。 

医療界はもっと風通しをよくしていただきたいと思います。日本の医療界は横の連携が出来ていないところも欠点と思います。 医師同志もとても閉鎖的な中で働かされているように思います。 日本の医療を抜本的に変えていく必要があると思います。 第三者機関の医療事故調査制度がより優れた働きをして、医療界全体が変わっていくように願っています。 よろしくお願いいたします。 

福岡・富永恵子

「医療過誤原告の会」関西・中国・四国地区合同交流会&勉強会の報告

2月7日(土)午後、JR姫路駅前の会場で、23名が参加して関西集会が開かれました。    (「動画/フォトギャラリー」参照)

篠原関西代表の挨拶、宮脇会長の「原告の会」活動報告に続き、患医連代表・永井裕之さんから、「医療版事故調ガイドラインづくり」について最新の話題、公平性、透明性がはかれる制度になるか、厳しい情勢が報告されました。

講演は、石川寛俊弁護士から、「医療被害にあったとき」と題して、ユーモアたっぷりに、深刻な内容を解説いただきました。                               続いて、福本良之氏(医学・社会学博士)が「社会学からみた医療訴訟」をテーマに熱弁をふるい会場は大爆笑につつまれ、医療事故の辛さを一刻忘れることができました。

後半は「医療事故被害・闘い」の交流で、15名の方から報告があり、終了後、20時までの交流会に15名が参加して絆を深めました。

「第5回医療事故調査制度の施行に係る検討会」関連記事

2月5日(木)「第5回・医療事故調査の施行に係る検討会」が行われました.。           次回(第6回)は2月25日(水)開催予定です。

3月14日の「医療過誤原告の会」関東地区集会で、会員の皆さんに2月25日の検討会の様子を含めて報告する予定ですが、取りあえず、下記サイトに第5回の様子(共同通信記事&感想)が記載されていますので、参考にご覧ください。                         リンクはサイト運営者に了解を頂きました。ご協力に感謝します。                                       ~「医療過誤原告の会」サイト運営事務局より~

★リンク先:http://blog.goo.ne.jp/urara-30/e/b4da5885f2db51dbd8fd8226197c2fc4

医療事故調査制度の施行に係る意見書 (医療過誤原告の会)

医療事故調査制度の施行に係る検討会

座長 山本和彦 様

 

医療事故調査制度の施行に係る意見書

 2015年2月3日

医療過誤原告の会

会長 宮脇 正和

東京都東村山市多摩湖町1-22-2宮脇方

電話 090-6016-8423  Eメール info@genkoku.net

http://www.genkoku.net

医療過誤原告の会は、医療事故で重大な被害に遭い、医療機関に誠実な対応を受けられず、医療過誤裁判を検討ないし体験した被害者・遺族により1991年に設立されました。

医療事故の被害者が泣寝入りしなくてすむように、医療事故被害者の交流・支援、医療事故被害の精神的サポート、再発防止を目的として、被害者・遺族が会費を出し合い、長年にわたり様々な活動を続けてまいりました。(2015年1月1日現在 会員数272名)

重大な医療事故が発生して、医療機関が被害者に真摯な対応を行なわず、「にげる、かくす、ごまかす」対応に出た場合、被害者・遺族は、自ら医療事故を調査して原因を明らかにして、過誤が確認された場合、裁判でその責任を問い、医療機関に補償と再発防止を求めるしか方法がありませんでした。

しかし、医療について専門知識を持たない医療事故の被害者が、病院の外部から事故の証拠を保全して、事故原因を明らかにすることは、大きな困難が立ちはだかり、被害者の多くが泣寝入りとなっていました。 それでも協力者に恵まれ、数年かけて事故原因を究明できた被害者により、年間800件余の医療過誤裁判提訴に至っています。

泣き寝入りに追い込まれた被害者・遺族は、医療事故の悲痛な教訓が再発防止に生かされることなく、闇に葬られてきた無念の思いが医療不信となり、深い傷となって残りました。

私たち、医療事故被害者・遺族は、みずからの医療事故原因を究明するなかで、すべての医療事故被害が、次の医療事故を食い止める教訓として活かされる制度の設立を願い、その必要性を、国民、医療関係者、行政機関等に広げる運動を、長年にわたって進めてきました。 そして、真摯に医療事故に向かい合い、医療の安全・信頼向上に努力されてきた医療関係者をはじめ多くの方々のご尽力で、昨年6月に医療法が改正され、今年10月より、医療事故調査制度が施行となりました。

国会審議においては、医療事故調査制度が中立性、透明性、公正性及び専門性を確保して医療事故の原因究明及び再発防止を推進し、医療の質と安全性の向上に資する制度として運用され、社会に信頼される制度となるよう、適切なガイドライン策定に向けて、衆参の国会審議を経て、参議院厚生労働委員会で附帯決議が行われました。

昨年6月の法案可決直後に、本年10月から施行の医療事故調査制度ガイドライン策定にあたって、医療過誤原告の会は法案可決を重要な前進だと評価し、以下の5項目について要望を声明として発表しました。

 

今後のガイドライン策定の課題

1、    調査対象

医療事故調査の対象を病院の管理者が判断したものだけでなく、遺族や医療者にも届け出の窓口を設ける事。

2、    遺族との事実経過に関する情報共有

事故発生後すみやかにカルテのコピー等の医療機関側が持つ情報を全て遺族に提供した上で、遺族が記憶している事実経過を聞き取り、情報の共有をはかること。

3、    中立性・透明性・公平性の確保

院内事故調査、第三者機関の調査及び運営に、医療事故の被害者で医療事故再発防止に取り組む者、患者側弁護士等を入れる。

4、    全国的に均一で質の高い調査の実現

院内事故調査を支援する組織は、利益相反になりやすい都道府県単位ではなく、複数の都道府 県構成のブロック制とし、調査水準の均一性をはかる。

5、    費用の公的負担

遺族による申請を妨げることにならないよう、費用は公費負担とする。

この内容は、医療法改正に至る厚労省検討委員会のまとめと、衆参国会での審議と参議院厚生労働委員会の附帯決議の趣旨に沿ったものでした。

昨年11月から医療事故調査制度の施行に係る検討会が開催され、検討会の論議をつぶさに傍聴してきました。

参加されている構成員の意見の隔たりが多く、たびたび発言される数名の構成員の方のご意見の特徴は、合併症・予期可能範囲の拡大等により届出範囲の矮小化、事故調査を行う医療機関に調査方法を一任(公平性・透明性の欠如)、調査報告書作成義務をあいまいにして被害者へは口頭報告を許容、センター機関が事故報告を受けるだけの機能機関とする、等です。

これは、法案審議や附帯決議で確認された「医療事故調査制度が中立性、透明性、公正性及び専門性を確保して医療事故の原因究明及び再発防止を推進し、医療の質と安全性の向上に資する制度として運用され、社会に信頼される制度となるよう、適切なガイドライン策定」とかい離した主張であり、この様な意見が検討会でまとめられ、ガイドライン策定に反映されてしまう危惧を強くしています。

私たち医療事故被害者は、真摯に医療事故を教訓化して医療の質と安全、信頼性の向上を願い努力されてきた医療者と共に、国民の期待に応えるガイドラインに、検討会の議論をまとめていただきますよう、心からお願い申し上げます。