会費・寄付の振込先口座が変更

会の口座が以下のように変更になりました。

銀行振込先

銀行: りそな銀行 目黒駅前支店
口座: 普通口座 1934242
名義: 医療過誤原告の会 ( イリヨウカゴゲンコクノカイ

郵便払込先

口座番号: 「 00140-3-561450 」
加入者名: 「 医療過誤原告の会 」

今後、寄附や会費の納入の際は、この口座にお願いします。

会員の事件が関西テレビ「スーパーニュースアンカー」で特集

3月13日関西テレビの「スーパーニュースアンカー」で、会員で関西支部代表の篠原聖二さんの事件が、国の医療事故調設立の動きと共に特集され放映されました。

http://www.ktv.co.jp/anchor/today/2008_03_13.html#02

[flv href=”/uploads/20080315-news.flv” width=”320″ height=”240″ autostart=”false” /]( ↑ 上の黒い画面を2回クリックすると、動画が再生されます。 )

患者で考える医療過誤訴訟 ~医療事故の対処法~

1、証拠保全をする

医療裁判をおこすには医療ミスを証明するカルテやレントゲン写真が必要になります。これらはいつまでも保存されているわけではないので、廃棄されたり紛失されたりする前に確保しておかなければなりません。このための裁判上の手続きが「証拠保全」です。

①、まず裁判所に申し立てをする。

②、申し立てから証拠保全期日(病院へ行ってカルテのコピーをとりよせること)申し立て後通常一カ月以内に、裁判所の証拠保全決定が出されます。

③、証拠保全期日の当日に行なうこと
カルテを改ざんされるおそれがあるので相手の病院へ事前の連絡は入れません。
当日、裁判官・書記官と一緒に病院に行ってカルテをコピーします。(申し立て代理人の弁護士が代行しているのが現状)レントゲンフィルムの記録があると思われる場合には一眼レフのカメラが必要です。証拠保全は一回だけで、やりかえはきかないので具体的なことは弁護士に相談してください。

④、調書の謄写請求
コピーしたカルテや撮影したフィルムは裁判所が証拠保全調書を作成した後、謄写請求してカルテのコピーがやっと患者の手に入ります。証拠保全してからカルテのコピーが手に入るまでおよそ3~4カ月です。

2、カルテの検討

訴訟、調停、示談交渉

カルテをよく読み込み、過失及び証拠がどれだけ十分かによって訴訟→調停→示談交渉の順で選択する手段をきめます。過失が明らかで証拠が揃っているときは訴訟の方法で、いずれも不十分なときは示談交渉で、その中間の場合は調停を選ぶことになります。

3、裁判のゆくえ

裁判は弁論と証拠を調べる段階とにわけられます。弁論はおよそ一カ月ないし一カ月半に一回のペースで5、6回くりかえし、証拠調べではおよそ3~4カ月に一回の割合で3~10回ぐらいが平均。これらが終丁すれば判決がだされます。提訴から判決までの平均期間は2~4年で、判決が出ても控訴されればさらに数年続くことになります。早い事件では一年数か月で患者側勝利が確定することもあり、十年以上しても判決がでていない例もあります。

4、医療裁判をするためにカルテはどんな意味があるか

医療は患者の病状の推移や検査結果に応じて、投薬・手術などの処置を順次行っていく作業です。当然その内容を記録に残していかなければ十分な治療をおこなうことはできません。したがってカルテは適切な治療を行うために不可欠なものです。その医療が医療過誤にあたるのかどうかの判断に、最も基本的な資料になります。事実経過と過失の有無についてカルテ扱きに判断できないと言えます。

また、医療記録は、裁判に勝つためだけの便宜的な資料だけではありません。やり場のない憤りを確信に育てるために、自分の信じることを他人も共感できる内容に広げるためになくてはならないものなのです。

医療裁判では専門家である医師を相手に、その医師が書いたカルテが重大な証拠として争われるのでこれを上回る準備がなければ裁判には勝てません。しかしカルテをよく検討し、医学知識を身につければ本来勝つべき事件かどうかは、医学や法律に素人でもおよその予測がつきます。過失および証拠がある程度揃っていて、費用と時間がかかりながらも、あえて裁判を希望する人が多いのは、事の是非を明らかにしてほしいという願いが患者側に根強いからです。このように訴訟では被害者救済という面と同時に、社会的制裁という面も大きな意味を持ちます。

5、訴訟は何のためにするのか

医療被告に対して硯在、保険制度やこれを対象にした社会保障制度はありません。一方加害者である医療側には各種の医療保険が整備されています。そのため被害者は泣き寝入りか加害者に負担させるために闘うか、この二つの選択しかありません。加害者が被害を負担すべきであることを社会的に明確にするしくみが民事戌判です。被害者が望むのはいうまでもなく被害の救済と事故再発の防正です。事実関係を明らかにすること、そして医師の行動(細かな医学専門的姿勢ではなく、社会人としての医師のあり方のの観点から判断するもの)の当否をきっちり判定することが裁判の基本です。裁判が個人的な動機に根ざしたものであっても、そこで示される判断内容が、社会のありかた(なにが許され、何が許されないかを公的に明らかにすること)に深くかかわっています。

6、裁判にかかる費用

相談費用

最初の相談段階で弁護士へ支払うお金です。

訴訟費用の概略

1、弁護士の収入になるお金

着手金と成功報酬とがあり、着手金は訴訟をおこすときに支払うもので、報酬金は事件が終了したときにその成功の度合いに応じて支払うものです。

2、実費として立て替えるお金

弁護士が訴訟を担当するのに必要な交通費・通信費・文献資料費・出張日当・謄写料などです。交通費・出張日当を除けばおよそ二~三十万円で事件解決までまかなえます。

3、裁判所に納めるお金

訴訟を起こす時に納める印紙代、郵便切手代、鑑定費用などです。印紙代は請求額一千万円につき約五万円、五千万円請求で十七万円、一億円請求で三十二万円です。切手代は約八千円、鑑定費用は五~七十万円が相場です。また依頼人の費用負担を軽減する方策として、訴訟救助と法律扶助による立て替え制度があります。詳しいことは弁護士に相談してみましょう。

(会報 第5号~10号連続医療講座 石川寛俊弁護士講演より抜粋)