大野病院事件についてマスコミよりコメントを求められたため、下記のように答えました。
2008年8月20日
医療過誤原告の会
会長 宮脇正和
① 私は1983年に娘を医療過誤で亡くし、10年間の医療過誤裁判の後、病院側の全面謝罪で和解しました。 医療過誤原告の会の会員は、医療被害者として、これまで医療事故の際の説明や、医療過誤裁判の場で、カルテの改ざんや、証拠のねつ造・隠蔽、医療者の事実と全く異なるウソの証言に少なからず遭遇し、医療界に対する信頼を打ち砕かれてきました。
② 私たち被害者の願いは、「医療事故の事実から真摯に学び、事故の再発防止に役立てていただきたい」と言うことです。
③ 無罪判決ではあるが、裁判の過程で事故調査委員会報告以上に、事故の真相が明らかになった意義は大きい。
④ 判決結果は、医療界が今回の事件から謙虚に教訓を受け止めることになるか、心配している。
⑤ 国民が望んでいることは、安全なお産であり、リスクが予想されるお産については、事前の対策(複数の医師体制、対応設備のある病院に送る、輸血の準備をしておく)をしっかりとることが、大野病院事件の最大の教訓ではないでしょうか。
今後、医療界がお産における安産対策を一層進めることが、遺族や国民の願いに応えることではないか。
⑥ 医療関係者に望むことは、事故の事実を真摯に公表してほしい。そのことが患者と医療機関の、率直な信頼関係を築くことになり、はじめて、医療事故の教訓を、安全対策に生かせることにつながる。
⑦ 現在、医療安全調査委員会等、死因究明を行う第三者機関の設置法案が議論されているが、医療者が自律的に事故を教訓化することにより、国民の信頼を広げるよう期待している。