3/27NHKニュースウオッチ9、「医療訴訟が救急医療の萎縮に」報道、抗議・訂正要請話し合い報告

4月4日午前11時、永井裕之さん(医療の良心を守る市民の会代表)、

永井国生さん(東京医大被害者ネットワーク代表世話人)と宮脇(医療過誤原告の会・会長)の3人でNHKに出向き、

首記の件でニュースウオッチ9編集責任者、チーフディレクター、取材ディレクターの3名と、

4月1日に渡した各団体の抗議・要請文(ファイル参照)に基づいて話し合ってきましたので報告します。

 

冒頭に、こちらから抗議・訂正要請について、丁寧に話しました。

NHK側は、番組編集責任者のN氏が主に話しました。

 

NHKの説明を要約すると、

ニュースウオッチ9は国民の命と安全、安心を

第一義な問題としてとりくんでいる。

今回の埼玉県の事件を取り上げたのも、

救急「たらい回し」で落としてしまった命の重みにこだわったからだ。

第1回目の報道と2回目は救急体制の不備を主眼に報道した。

第3回目は受け入れを断った病院や救急に従事している3名の医師から、

訴訟を理由に救急受け入れを断っている事があると話しがあり、

そういう取材を中心に報道した。(話の内容が事実であるか確認はとってない)

被害者の方が、「訴訟を理由に救急医療が委縮していると報道された」と感じて、

傷ついているのであれば、報道する側にとってはショックで、

こちらの真意は、「訴訟を理由に断っている現実があるのであれば、そのような状況が問題だ」、

と、認識だった。

ニュースウオッチ9の考えは、今回の件は救急体制の不備が原因だとの認識で、

今日、みなさんのお話をうかがって、全く同じ思いだ。

当初から、今回亡くなられた方に取材をしたいと調査してきたが、

特定に至らず、残された課題となっている。

原点に返って、救急たらい回しの被害を受けた方へ、今後取材していただきたいので、

協力をお願いしたい。

また今日、話をうかがった医療安全制度作りについても、取材を進めていきたいので、

協力いただきたい。

以上が、NHK側の釈明です。

 

NHK側は、先日の報道が、

医療被害者を傷つけ、多くの視聴者に誤った認識を伝えたことについて、

こちらの申入れを受け止めたが、その上で、明確な謝罪、訂正をするのではなく、

「救急たらい回しについて、命を救えなかったのは救急体制の不備が、報道の真意だ」、

との釈明は、あらためて画像を観て、とても納得できるものではありませんでした。

しかし、こちらの主張を1時間半にわたって、丁寧に聞きとり、

今後、被害者の取材を行って、正確で深い報道内容にしていくよう努力すると、

返事がありましたので、

今後、NHKがどのようにこの問題を具体化していくのか、しっかり見守っていくことを伝え、

当日の話し合いはそこまでとしました。

宮脇 記