医療版事故調設立 国会議員シンポジウム ご案内

多くの皆様の参加を、お願いいたします。

国会議員シンポジウム 医療版事故調
~国会での十分な審議と早期設立を求めて~

【日時】 2009年5月12日(火) 18時~20時30分
(*開場 17時45分)
【場所】 星陵会館ホール 東京都千代田区永田町2-16-2
(東京メトロ永田町駅より徒歩3分 国会議事堂前,溜池山王駅下車徒歩5分)http://www.seiryokai.org/kaikan.html
【参加費】 無料

厚労省が昨年6月「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」を公表し,民主党も「医療に係る情報の提供、相談支援及び紛争の適正な解決の促進並びに医療事故等の再発防止のための医療法等の一部を改正する法律(仮称)案骨子試案」及び「医療事故等による死亡等(高度障害等を含む)の原因究明制度(案)」を発表しました。しかし、その後、国会で医療版事故調査委員会(医療版事故調)の創設に向けた審議は行われていません。

医療事故再発防止、発生予防は早急に実現すべき国民的課題です。国会での審議、医療版事故調の早期設立が実現するよう、本シンポジウムでは、各党から国会議員の方々に参加いただき議論の緒を切っていただきます。

ご関心のある方はもちろん、本問題についてまだご存知ない方も、是非ご参加下さい。

<内 容>

1.来賓あいさつ   厚生労働副大臣 大村 秀章 氏
2. シンポジウム

(シンポジスト)

自由民主党参議院議員   古川 俊治 氏
公明党衆議院議員   福島 豊 氏
民主党参議院議員   足立 信也 氏
日本共産党参議院議員   小池 晃 氏
社会民主党衆議院議員   阿部 知子 氏
国民新党参議院議員   自見 庄三郎 氏

(コーディネーター)

読売新聞東京本社編集局次長   五阿弥 宏安 氏
国際医療福祉大学大学院教授   大熊 由紀子 氏

主催:
患者の視点で医療安全を考える連絡協議会 医療版事故調推進フォーラム

連絡先:
mail: kan-iren-info@yahoogroups.jp FAX: 047-380-9806

医療事故調推進キャンペーン チラシ配布・署名活動 第6弾

第6弾を、4月26日に行います。再び有楽町、今度は有楽町マリオン前で行います。

  • 日時: 2009年4月26日(日) 15:00~16:00
  • 場所: 有楽町マリオン前
  • 集合時間・場所: 14:50? 東京メトロ 銀座駅
    日比谷線日比谷駅のA0出口付近

☆ 場所が分からない場合は、090-1052-6342(木下)までお電話下さい。

九州で医療事故調推進チラシ配布・署名活動を行います

  • 日時: 2009年4月18日(土) 10:00~11:00
  • 場所: 旧岩田屋前(福岡) 岩田屋敷地内西通り側
  • 集合時間・10分前に集合願います

☆ 場所が分からない場合は、090-1052-6342(木下)までお電話下さい。

医療訴訟が起こるのは患者のせいじゃない。

ドラクエが医療を崩壊させた(NATROMの日記)

日本の医療が危機に瀕している原因は複数あるが、その一つに医療訴訟の増加が挙げられる。医療者に過失があって訴えられるのは仕方がないが、過失がなくとも結果が悪ければ訴えられることもあるのだ。医療訴訟の背景には、医療の不確実性に対する理解不足があるように思える。「過失がなければ問題なく治って当然」、言い換えれば、「結果が悪かったのであれば、なんらかの過失があったに違いない」という訳だ。医療者から十分な説明を行っても、こうした思い込みのある患者さん/ご家族に十分納得していただくことは難しい。

昔から、というか昔のほうが、「結果が悪かった」医療行為はあったし、患者さん/ご家族への説明も、昔と比較すれば現在の方がずっと丁寧に行われている。にも関わらず医療訴訟が増加してきたことには、何らかの説明が必要だ。ここ何十年かの間の日本に、医療の不確実性に対する理解不足をもたらす何かがあったのだ。ドラゴンクエストがその一つであるという仮説を提示したい。より正確には、ドラクエにおける、死亡したキャラクターの蘇生のシステムが医療の不確実性に対する理解不足を、ひいては日本の医療崩壊をもたらしたという仮説である。

いまさら説明する必要もないと思うが、ドラクエはロールプレイングゲームである。ドラゴンクエスト2以降はパーティ制(複数のキャラクターが戦闘に参加)を採用しており、キャラクターの誰かが死亡した場合、何らかの手段で蘇生させる必要がある。レベルが進むと蘇生のための呪文を覚え、あるいはアイテムでも蘇生できるが、序盤は教会に行ってお金を払い、「いきかえらせる」ことになる。お金さえ払えば、失敗することなく、確実に蘇生する。プレイヤーは専門家のいる施設へ行き、正当な対価を支払いさえすれば、確実な結果が得られることに慣れてしまう。これがいけない。

上記ブログでは、医療の不確実性が理解できない「ゲーム脳」が患者に広がっているため、医療訴訟が増えて医療崩壊が起きていると書いています。ふざけているのでしょうが、プロフィールによれば書き手は医者らしく、患者をバカにしているように感じられ残念です。

「医療にリスク(不確実性)が存在する」などというのは、当たり前のことです。医療訴訟は、医療のリスクが理解できない患者・遺族が起こしているのではありません。「治療したのだから、確実に治らないのはおかしい!」と言って訴訟しようにも、まず弁護士が見つからないし、裁判所で相手にされません。

では、なぜ医療訴訟は起こるのか?医療行為の結果、予期しないかたちで大切な家族を失った遺族は、当然ながら、なぜそのような不幸が起こったのか、原因を知りたいと強く思います。にもかかわらず、十分な説明を行わず不誠実な対応でごまかそうとする医療者が、残念なことに存在するため、不信感につながり訴訟にまで発展するのです。以下のような例が、その典型です。

「医者が任せておけと言うので、安心して治療を任せたものの、様子がおかしい。気がついた時には手遅れで、大事な家族は亡くなってしまった。なぜこんなことになったのか医者に理由を尋ねても、「分からないが、治療には問題はない(過失はない)」と繰り返すだけだ。」

医療行為の結果予期せず家族を失って、上記のように「分からない」で納得できる人はいるのでしょうか?理由が分からないのであれば、もちろん治療に問題が無かったのかどうかも分かりません。原因調査を尽くした上で、本当に分からないこともあるでしょうが、実際大した調査もされず放置されるケースも存在します。

上記のようなケースに加え、医師からの説明が、素人から見ても矛盾やおかしな点が含まれていたり不十分なために、不信感を抱くケースもあります。家族の死の理由が、分からなかったり不自然であるというのは、遺族にとって耐えられないことです。このような場合、ほかに手段がないため、訴訟をしてでも、少しでも手掛かりを得ようとするのは、遺族にとって自然な流れです。

訴訟の金銭的、精神的コストはとても大きく、気軽に出来るものではありません。遺族が訴訟を提起するとういうことは、医療側に対して、相当根深い不信感があるということです。

医療者には、患者や遺族が理解しないのが問題だと開き直る前に、患者や遺族への説明が、本当に十分なされているのか、コミュニケーションの方法に問題はないのか、納得や信頼は得るにはどうすれば良いのかを考えることが、プロフェッショナルの態度として求められているのではないでしょうか。

(補足しておくと、上記の「説明」とは治療前のインフォームドコンセントのことではありません。医療行為により予期しない結果が生じた場合の説明のことです。)

会員 前田経一

※4/23 タイトルを変更しました。