医療過誤原告の会シンポジウム(2007年12月16日)レポート

医療過誤原告の会 事務局

1、 宮脇正和 会長挨拶

医療過誤原告の会は、医療被害者の声に答えながら、これからも活動を続け、社会的にアピールしていく。

2、 鈴木利廣氏(医療問題弁護団代表)講演
「患者の人権確立と医療被害者運動の役割」

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人権の一部として患者の権利があり、安全な医療を受ける権利がある。患者が権利を要求して、社会が認めることで初めて人権として成立する。

また、被害を受けた場合に救済・回復を求めることも正当な権利。被害者が求めるものには、原因究明、責任と謝罪、再発防止、補償・賠償、場合によっては社会的制裁などがある。

自分たちの権利を守るためには、被害者自身が努力し運動していかなければならない。また、市民運動として展開する際は、被害者のみならず、被害にあっていない多くの一般市民の共感を得ていく必要がある。そして、専門家との協調のもと、要求を統一して政策立案過程に参加することが重要。

3、 杉野正雄氏 医療被害報告

医師が診察で割りばしを見逃した後、三男が亡くなる。刑事一審ではカルテ改ざんや過失が認定されるも、死亡との因果関係が認められず。

事件後、マスコミの取材に応じたことで、心ない医師から不当な嫌がらせや誹謗中傷を受ける。最初はインターネット上だけだったが、最近は書籍による中傷も出てきた。

4、 小室義幸氏 医療被害報告

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出産事故で娘と孫を同時に亡くす。民事裁判は継続中。事故後、院内に事故調査委員会が出来るも、明確な説明がなく不誠実な対応だった。

5、 勝村久司氏 講演
「医療被害者の願いと医療過誤裁判」

事故で息子を亡くした後、被害を意味のあるものにしたいとの思いで裁判を始める。当時丁度、医療過誤原告の会が設立され関わることに。

裁判はカルテ改ざんとの戦いだった。医療裁判では多くの例で、改ざんや偽証などのウソが存在している。

最近はインターネットなどを利用した誹謗中傷が問題に。

6、 肥田泰氏(全日本民主医療機関連合会 会長)講演
「医療事故を取り扱う第三者機関の早期実現を求めて」

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ミスは起こる可能性があるものとしてとらえ、原因調査や再発防止に役立てる制度が必要。

民医連の病院では、事故が起こった場合、患者の人権に配慮して誠意をもって対応するようにしている。

独自に事故事例を収集・調査し再発防止のための方策をまとめている。

事故被害に対する社会保障制度が必要。

7、 シンポジウム「医療被害者の苦しみは医療改革の原点」
勝村久司 肥田泰 杉野文栄 小室義幸 宮脇正和 前田経一

主に、厚生労働省が検討している医療事故調査委員会について、検討会の第二次試案等の資料を参照し、フロアからも意見もお願いしながら論議した。医療事故の死因解明をはかる公的機関の設立を、早期に願う声が会場から強く出された。

「医療の良心を守る市民の会」代表の永井裕之さんは、都立病院で点滴に消毒液混入で奥様を亡くされた際、警察による捜査で死因究明できた体験を報告し、医療事故における刑事捜査の重要性を発言された。

また、一部の医師やマスコミ関係者がインターネット等で、医療被害者が裁判を起こすことが「医療崩壊の要因」であるかのように主張や、被害者運動をおこなっている人々を誹謗中傷する状況が広がっている事も報告され、この動きに対して、やむを得ず裁判に追い込まれてる医療被害者や、医療過誤裁判の実態と大きくかけ離れた、一方的で不当な主張となっている点に留意して、医療被害者からの運動を強める必要性も語られた。

会場:東京都 東村山市立 中央公民館

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